Tuesday, March 04, 2008

方法としてのGIS

GISが暗黙知を明示する: やまもも書斎記に書かれていることは、まさに情報歴史学の大きなテーマのひとつ。當山先生曰く:
GISは、従来の学知の暗黙の部分を暴露する、極限すれば、このようにいえるだろうか。
この指摘は、私が『歴博』に書いた「情報歴史学の教育に挑む」の次の部分と通じるところがあるように思う。
筆者の考える情報歴史学は、まず第一には、歴史学のある研究分野の方法論や伝統について分析し、それをコンピュータを使って記述する(≒データベースを作成する)という学問である。それは、対象となった研究分野の研究者から見ればツールが提供されたように見えるだろう。しかし、データベースとして表現された方法論や伝統が暗黙のものであった場合、それが視覚化されることによって新たな議論、すなわち方法論的な反省が発生する契機となる場合もあろう。それを ふまえて第二には、従来の研究方法を相対化できるような新しい方法を模索し、それによって歴史学の研究を行うことである。以上のことから、筆者は、情報歴史学は補助学ではないと考えている。
やまもも書斎記は、情報歴史学コースの学生にとって、RSSリーダー等で常時チェックすべきブログ。

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